白内障を摘出した人は認知症を発症する可能性が30%低い

 最近、私の母親と電話で話した時のこと、「目が見えにくくなってきたことが一番辛い」と言っていました。

母親は白内障を患い時々眼科に通っていますが、まだ白内障の手術をしていません。

人生100年時代、できるだけ認知症を予防し生活したいです。

白内障抽出が高齢者の認知症のリスクの低下との関連を調べた研究結果が発表されました。

*白内障65歳以上3038人を対象としたコホート研究で、白内障抽出を受けた参加者は、多数の追加リスクを制御した後に白内障手術を受けていない人よりも認知症を発症するリスクが低かった。対照的に、認知症のリスクは、視力を回復しない緑内障手術を受けた参加者としなかった参加者の間で異ならなかった。

*白内障の治療が65歳以上の人の認知症を発症するリスクが低くなることを示した結果から、白内障による視力障害は高齢者のケアに影響を及ぼすことを示唆。白内障の治療が認知症のリスクを低くし、個人とその家族の生活の質の向上になる可能性が高いと考えらる。

Cecilia S. Lee, MD, MS1,2; Laura E. Gibbons, PhD3; Aaron Y. Lee, MD, MSCI1,2; et al 、Association Between Cataract Extraction and Development of DementiaJAMA Intern Med. Published online December 6, 2021. doi:10.1001/jamainternmed.2021.6990

Association Between Cataract Extraction and Development of Dementia | Cataract and Other Lens Disorders | JAMA Internal Medicine | JAMA Network

白内障は、加齢プロセスの一つ

白内障の原因の多くは加齢によるもので、老人性白内障(加齢白内障)といわれます。白内障患者の7割以上を老人性白内障が占めます。

年齢別 白内障が認められた割合

80歳代は100%です。

50歳代37〜54%
60歳代66〜83%
70歳代84〜97%
80歳以上100%

「科学的根拠(evidence)に基づく白内障診療ガイドラインの策定に関する研究」厚生科学研究補助金(21世紀型医療開拓推進研究事業:EBM分野)よりhttps://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0012/G0000028/0004

他に先天性や外傷性、アトピー、糖尿病、紫外線や薬剤、放射線などが原因による白内障があります。

白内障とは

眼の中のレンズに当たる水晶体がにごる病気です。にごったレンズを通して物を見るので非常に見にくくなります。

セルフチェックしてみましょう

  • 日差しの強い場所で、まぶしさを訴える機会が増えた
  • ちょっとした段差でつまずくようになった
  • 「ものが二重に見える」
  • 「テレビの字幕がぼやける」
  • 「近くがよく見えるようになった」
  • 老眼鏡を使う機会が減った
  • 自動車の免許更新が行えなかった
  • 買ってからそれほど経っていない眼鏡が合わなくなった

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白内障と認知症と関連の研究結果から私が考えたこと。

視力が衰えると本やメディアなどを見ることが鬱陶しくなります。なので、知的活動にも影響があるのだと思います。視力が衰えるとつまづいて転倒のリスクもあります。転倒によるケガは介護が必要になる原因になります。

高齢になったら白内障のリスクが高まることを意識して、あれ?最近おかしい?と気づた時に治療をして、視界を明るくしていくことが必要ですね。

人生100年時代、健康管理で元気に生きたいです。

今日もみていただきありがとうございます。

Profile

大友光恵
大友光恵
大学講師 ( 公衆衛生看護学)
興味関心は、母子支援のための病院と地域の連携、看護職のモチベーションアップ、女性の生きる力を引き出すこと。
大学講師 ( 公衆衛生看護学) 興味関心は、母子支援のための病院と地域の連携、看護職のモチベーションアップ、女性の生きる力を引き出すこと。