「女性に優しい職場は、新人にも優しい。」と思う理由〜ライフステージに寄り添う文化が、定着率を高める〜

「女性の健康支援って、女性のためだけじゃないんですね。」
これは、地域の講座や受講者とのやりとりの中で、感じてきたことです。
実際、女性にやさしい職場は、新人や若手社員にとっても“安心して働ける場”であることが多いと感じています。
なぜなら、誰かの体調やライフステージの変化に気づこうとする文化が、
“他の誰かの小さな不安や不調”にも自然と目を向けられる力になるからです。
今回は、私が地域での活動や講座を通じて実感してきた、
**「女性支援と職場全体の健やかさのつながり」**についてお話しします。
女性の健康支援がもたらす“気づき”の文化
PMS、更年期、産後、育児、介護――
女性はライフステージごとに体や心に変化を抱えやすい存在です。
そうした女性の“なんとなく不調”に向き合う企業は、小さなサインに気づく力が育っています。
これは新人にとっても大きな支えになります。
「相談してもいい」
「無理をしなくていい」
「誰かが気づいてくれる」
そんな安心感が、職場の空気を変えていきます。
新人が感じる“優しい職場”とは?
新入社員にとって、最初の職場は“社会との接点そのもの”。
特に今の若い世代は、働くことに対する不安・プレッシャー・心の壁を持っている人も多いです。
その中で「ちょっと元気ないな」と気づいて声をかけてくれる人がいることは、離職やメンタル不調を防ぐ大きな要素になります。
つまり、女性への配慮を重ねてきた職場は、若手の定着にもつながるのです。
受講生の会話から見えた“辞めざるを得なかった現実”
私が地域で開催した女性向けの講座「女性ホルモンに振り回されない」で、こんな会話がありました。
「昔、一緒に働いていた同僚が、生理痛がひどくて、何度か仕事を休んでいて…。
でも職場では、そのことを深く話せる雰囲気もなくて、
気づけば辞めてしまっていました。」
話してくれた方も、当時はどう関わっていいか分からなかったそうです。
そして、こう付け加えてくれました。
「たぶん彼女自身、自分の体のことをどう対処すればいいかも分かっていなかったんだと思います。
病院に行くことも、職場に伝えることもハードルが高かったはず。
きっと、一人で我慢していたんじゃないかな…。」
“知らなかったから、続けられなかった”――
そうやって仕事を手放していった人の話を、私は講座を通じて何度も耳にしてきました。
【私の中で強く残ったこと】
こうした話を聞くたびに思うのです。
「もし、本人に少しでも“自分の体を知る力”があったら」
「もし、職場に“安心して話せる人”がいたら」
辞めずに続けられたかもしれない――と。
だから私は、今も女性の体と健康について伝える活動を続けています。
「知識」や「対話」は、誰かが辞めずにすむ道をつくってくれると信じています。