中小企業の人材採用「誰でもいい」では応募してもらえない。採用に重要なストーリ-

多くの中小企業が、人の採用に苦労しています。
その原因のひとつは、「採用の方法」にあるかもしれません。
先日、東京商工会議所で行われたセミナーに参加し、
“目からうろこ”の重要な学びを得ました。
特に印象的だったのは、
「経営戦略や事業戦略はあるのに、採用戦略がない企業が多い」
という指摘でした。
求人広告を出す、紹介会社に依頼する――
そんな“手段ありき”の採用になっていませんか?
その結果、本当に来てほしい人に届かない、という状況が続いてしまっているのです。
では、どうすれば「選ばれる会社」になれるのか?
そのヒントとなる学びを、私なりに整理してブログにまとめてみたいと思います。
人材採用にとても重要なこと
採用にも“ターゲット設計”が必要だという話を聞き、まさに目からうろこが落ちる思いでした。
どういうことかというと、
応募してきてほしい人のニーズを想像し、求人票にそれが“伝わる形”で書かれているかが重要だというのです。
たとえば、“60代のシニア層”という同じ属性でも、
- 生活のために安定収入を求めて働く人
- 人とのつながりを大切にし、社会参加を目的とする人
では、働く動機も求める条件もまったく違います。
だからこそ、求人票には「仕事内容」だけでなく、
“この職場で働く意味”が伝わるようなストーリー設計が求められるのです。
今回のブログでは、講義で学んだ「ストーリー軸(コンセプト)実例」をもとに、
採用活動において“誰に向けて、何を、どう伝えるか”を考える視点の大切さを共有したいと思います。
1. “同じ60代のシニア層”でも、働く目的や求めるもの違う例
強みとは、募集をする会社の強みです。
【警備業の場合】
- ターゲット
ゆとりある老後を送りたいシニア(60代)の方に対して - 強み(特徴)
正社員雇用、休みの融通、すでに多数のシニアが活躍している職場 - 訴求すべきニーズ
安定した収入を得ながら、条件面も無理なく働けること
【飲食業の場合】
- ターゲット
定年後も社会と接点を持ちたいシニア(60代)の方に対して - 強み(特徴)
お客様とのやり取りが多い飲食ホールの仕事を通じて、会話や笑顔のやりとりがある職場 - 訴求すべきニーズ
人と接しながら仕事を続けることによる“生きがい”や“社会参加”
2. 「誰でもいい」では届かない
「どんな人でもいいから応募してほしい」では、誰の心にも響かないのです。
採用で重要なのは、
- 誰を採りたいのか(ターゲット)
- 自社の何がその人にとって魅力なのか(強み)
- その人が本当に求めていることは何か(ニーズ)
この3つの視点をストーリーとして一本化すること。
この考え方は、求人票の文章だけでなく、採用面接のメッセージにも通じるものです。
3. あなたの職場ではどうですか…?
たとえば、「子育て中の主婦層を採用したい」なら、その方のニーズを考えます。
- 「働きやすい時間帯」
- 「急なお休みにも対応できる柔軟さ」
を求める女性を採用したいなら、そのことを求人表に明記する必要があります。
また、「第二新卒でチャレンジ意欲のある人」を採用したいなら、
- 「未経験でも挑戦できる教育制度」
- 「若手が活躍している実績」
が伝わらないと響きません。
【いい人がこないのは、これが原因かも】
「“いい人”が来ない」のではなく、
“誰に向けて何を伝えるか”が定まっていないだけなのかもしれません。
講義で、私は改めて「採用はマーケティングと同じなんだ」と気づかされました。
今後、中小企業の経営をサポートするために、学んだことを提供していきたいと思います。
【講師の木下さんのご紹介】
多くの企業では、「経営戦略や事業戦略はあっても、採用戦略はない」手段ありきの採用になっているために、来てほしい人を採用できていない。
この内容は、PrimoPinguino株式会社 木下峻一さんの研修で学んだ内容をもとにしています。
木下さんは、多様な業種に応じた具体的なコンセプト設計や、人材の“定着”まで見据えた提案をしてくださる信頼できるプロフェッショナルです。ご関心のある方は、ぜひ木下さんのセミナーや活動にも触れてみてください。
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