妊娠した米国の女性が、出血や胎盤障害で死亡する割合の2倍以上の割合で殺人によって死亡したことが明らかになった。
妊娠すると殺人による死亡リスクが高まる:
10歳から44歳で、過去1年間に妊娠または産後(1年)の女性は、妊娠していない女性よりも16%高い割合で死亡していた。
そして、白人またはヒスパニック系妊婦と比較して、黒人妊婦の殺人リスクが高い結果であった。記録された殺人の約3分の2が家庭内で起こっており、女性が親密なパートナーによる暴力によって殺されたことを示唆していると述べている。
https://www.nature.com/articles/d41586-021-03392-8
過去の文献でも妊娠中のDV被害について報告されています。
DVによる殺人 |
米国では,殺人未遂被害者の25.8%が妊娠中に虐待を受けていたという実態が報告されている。また,虐待の結果,殺人未遂または殺人の被害者となった女性(ケース群)では,虐待を受けてはいたが,殺人未遂または殺人にまでは至らなかった女性(コントロール群)と比べて,妊娠中に虐待を受けていた人の割合が3倍であった(MacFarlane et al., 2002 ; レベル4)。同一著者らの1995年の報告でも,虐待による殺人のリスクが指摘されている(MacFarlane et al., 1995 ;レベル3b)。引用:EBMの手法による周産期ドメスティック・バイオレンスの支援ガイドライン | Mindsガイドラインライブラリ (jcqhc.or.jp)
*****************
妊娠や出産に伴う障害などではなく、暴力で殺される女性が多いのは驚きの事実でした。
そもそも、黒人の若い女性は普段から殺されるくらいのDVを受けるリスクがあることが考えられます。
また女性は、暴力によって妊娠させられたとも考えられます。
なぜこのようなことが起きているのか、日本でもありえるのか、これらからも関心をもち調べていきます。
Maeve Wallace 1, Veronica Gillispie-Bell, Kiara Cruz, Kelly Davis, Dovile Vilda:
Homicide During Pregnancy and the Postpartum Period in the United States, 2018-2019. DOI: 10.1097/AOG.0000000000004567
PMID: 34619735
Profile
最新の投稿
- 女性を支える2024年9月5日思春期の女子をもつ保護者には知っておいてほしい月経と鉄分の話
- 人を理解する2024年8月26日関係づくりが難しい人を理解する
- 妊産婦支援2024年8月21日第一子は病院で誰にもとりあげてもらえない墜落分娩でした
- 看護について2024年8月16日なぜ大人になってから勉強を始めたのか?理由はドクターからひどい屈辱をうけたから