社長、知ってた? その「暑さ」を数値化する「WBGT」の測り方!【熱中症対策シリーズ】

前回のブログで、熱中症対策の最重要キーワード「WBGT(暑さ指数)」について解説しました。単なる気温だけでなく、湿度や日差し(輻射熱)も考慮した、より実態に即した危険度を示す指標でしたね。

「WBGTが大事なのは分かったけど、じゃあどうやって測るの?」

そう思われた社長さんもいらっしゃるでしょう。ご安心ください! 今日は、そのWBGTを具体的にどうやって測るのか、そして、いますぐ使える方法まで、分かりやすくご紹介します。

WBGTを測るには、やっぱり「専用の道具」が一番!

最も確実で推奨されるのは、WBGTを測るための専用の機械を使うことです。

これは「WBGT計」とか「熱中症計」などと呼ばれています。 見た目は、少し大きめの温度計のようなものが多いですね。

WBGT計って何がいいの? WBGT計は、WBGTの算出に必要な「湿度」「輻射熱」「気温」の3つの要素を同時に測り、自動的にWBGT値を計算して表示してくれる優れものです。これさえあれば、特別な知識がなくても、スイッチ一つで簡単に「今の暑さの危険度」を数値で把握できます。

  • 簡単操作: 電源を入れるだけで測れるものがほとんど。
  • 携帯性: 片手で持てるハンディタイプが多く、現場での測定に便利です。
  • 手頃な価格: 数千円から購入できるものが多く、導入のハードルは低いです。
  • JIS規格適合品推奨: 義務化に伴い、JIS規格(JIS B 7922:2023)に適合した製品を選ぶと、より信頼性の高い測定が可能です。購入の際は「JIS適合品」と記載されているか確認してみてください。
  • アラーム機能付き: 設定したWBGT値を超えると、音や光で危険を知らせてくれる機能が付いている機種も多いので、休憩の指示などを出すタイミングの目安にもなります。

どこで買えるの? ホームセンター、家電量販店、作業服専門店(ワークマンなど)、スポーツ用品店、インターネット通販(Amazon、楽天、モノタロウなど)などで手軽に購入できます。

WBGT計がない! 今すぐ知りたい場合は?

「今すぐ職場のWBGTを知りたいけど、まだWBGT計がない!」という場合でも、おおよその目安を知る方法があります。

それが環境省の「熱中症予防情報サイト」です。

このサイトでは、全国各地のWBGTの予測値実況値を地図や一覧で確認できます。会社の最寄りの観測地点を選べば、その地域のWBGTがどれくらいかを知ることができます。

注意点: ただし、このサイトで得られる値は、あくまでその地域全体、屋外の一般的な環境での目安です。例えば、工場内の熱源の近くや、日差しが強く照り返しの多い特定の屋外作業場所など、実際に作業している場所のWBGT値とは異なる場合があるので注意が必要です。

正しく測るためのポイント

WBGT計を導入したら、以下の点に気を付けて測定しましょう。

  • 測る場所が大事!:従業員が実際に作業する場所、休憩する場所で測りましょう。特に熱源(機械、太陽光など)がある場所は要注意です。
  • 高さは適切に!:一般的には、地面から0.5m〜1.5mの高さで測定します。
  • 直射日光に注意!:屋外で測る場合、WBGT計の黒い球体(黒球)に直射日光が当たると、実際のWBGTよりも高く表示されることがあります。できるだけ日陰や、太陽光が直接当たらない場所で測るようにしましょう。

WBGTを測ることは「命を守る第一歩」

2025年6月1日からの義務化では、WBGT値を把握し、その値に応じた休憩の指示や作業の中断、涼しい場所の提供などが求められます。

「測る」という行為は、手間と感じるかもしれません。しかし、これは従業員の命を守るための、非常に重要な第一歩です。正確なWBGT値を把握することで、漠然とした「暑いな」ではなく、「今、休憩が必要な危険な暑さだ」という具体的な判断ができるようになります。

ぜひこの機会にWBGT計の導入を検討し、安全な職場環境づくりを進めていきましょう!


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