皆さまこんにちは。
現在、国内の梅毒の感染者数は約1万3000人と前年の1.6倍になり過去最高に多くなったことが、国立感染症研究所から報告されています。梅毒の感染者数は2010年には621人であったのが約20倍に急増しています。
国立感染症研究所日本の梅毒症例の動向について (2023年1月5日現在) (niid.go.jp)
年代別では、20代女性が一番多くなっています。男性は年代がばらついています。
どうして?なにが起きているの?それが不思議でした。
しかし、この理由が風俗の実態に関する本を読んで腑に落ちました。
梅毒増加の理由が風俗だとすると、
上記の年代別グラフの性別によるばらつきの意味がわかります。
風俗で働く女性は20代が最も多く、
お客となる男性の年代は幅広いということです。10代や20代前半の若い男性はお金があまりないので風俗は利用しないのではないでしょうか。
話を戻します。
なぜ梅毒が増えているのか?
その理由は、風俗の「デフレ」が起きているから。
風俗の「デフレ」??
え?デフレが起きているとなんで梅毒が増える?のと思うでしょう。
私は全く知らない世界でした。
その理由を順番に説明します。
法律の規制でみえなくなった
2004年に東京都・警視庁・警察庁が一体となって繁華街の浄化作戦が始まりました。
これにより東京をはじめ、近隣の有名な風俗街が浄化されました。
それに代わって、看板を出さずにインターネットで広告宣伝をする無店舗型が増え、表社会から見えにくくなりました。(ソープは残っています。)
ここで増えたのは無店舗型の風俗の「デリヘル」です。
デリヘルとは、男性客との依頼に応じて女性をホテルや自宅に派遣し、性器への挿入を伴わない性交類似行為を提供するサービスである。
坂爪真吾、性風俗のいびつな現場、ちくま新書
デリヘルの開業は、申請すれば誰でもできるそうです。
そして、店舗型と異なりお客をとるのが大変だそうです。
誰でも参入すると何が起こるかというと価格破壊です。
観光バスの業界も誰でも参入でき、価格破壊が起こりました。会社は安い価格で仕事を引き受け、無理な運行が横行した結果、運転手に負担がかかり事故が起きました。
デフレが起こると顧客を獲得するために女性のリスクが高くなります。それは後ほど説明します。
風俗はなくならない
風俗を求めている男性はいなくなりません。
そして風俗の仕事を求めている女性もいなくなりません。
双方が求めているのです。
風俗というと、貧困や家庭に事情があり仕方なく流れ着いたというイメージがあります。
しかし、今はネットに情報があふれているため、特別悲惨な状況ではない女性であっても、風俗に興味をもち応募する女性も増えているそうです。
風俗の職業を選ぶ理由はお金がないからだけではなく、親の職業もそれなりのステイタスがあり一流大学の女子大生もいるそうです。
現在は、大学の学費と一人暮らしの生活費を稼ぐために大学生が参入するケースも目立っているようです。
大学に進学するため東京にでて一人暮らしを始めたが、親から十分な仕送りがない。バイトで何とかしなさいと言われた。そのためバイトをするが、一つのバイトでは足りないため掛け持ちでバイトを始める。そうするとバイトで何時間もとられ勉強する時間がつくれないし体力的にきつい。短時間で必要なお金を稼げるのは風俗であることがわかり、風俗の世界に飛び込むというように。
このように、今は風俗に応募する女性が増えており、店側が選べる時代になっているそうです。
しかし応募し採用されるのは、10人に1~2人くらい。
見た目の他に、コミュニケーション能力がないとお客がつかないので採用しないそうです。
また男性客も減っています。
完全に需要と供給のバランスが崩れています。
どこにも採用されない女性が行きつく店は、30分4000円くらいなど低価格の店になります。
そこから店の取り分を差し引くと、たいしたお金をもらえません。
裸になって性的なサービスをしてもお金にならない時代になっているそうです。
過剰なサービス
需要と供給が崩れるとどうなるか?価格競争が起こり、客の取り合いになります。
デリヘルは基本的に本番はやりませんが、T市では8割以上は本番を行っているそうです。
T市におけるデリヘルの相場は60分13000円~14000円。売春は1万円~1万5千円。
また、リピーターをつけないと収入が安定しません。
そのために何をするか?
リスクのある過剰なサービスです。
お客の無理な要望にも応えているのです。
客が「させて」というと応じているようです。
そして「生」を売りにするそうです。
お客をとるための過剰なサービス合戦です。
お客の無理な要望のサービスについては、他にもビックリするものがあります。詳しくは本を読んでください。気持ち悪くてとても書く気になれません。
今は、客からの無理な要望が通用する時代になっているのです。
このようなことから、女性の性病のリスクは当然高くなります。
一方、男性も「生」で性行為をすることで性病のリスクが高くなっています。
そこは気づいているのでしょうかね…?
働いている女性に店長がしっかり性病検査を勧めている所もありますが、検査を嫌がる女性もいるようです。
理由は、結果を知りたくない、メンドクサイなどです。
彼としか性的関係がない女性が梅毒に感染している
性病について調査した結果、「9人に1人」が梅毒やクラミジア、りん病など、何らかの性感染症にかかったことがあることが分かりました。
感染経路は、女性の性行為の相手は特定のパートナーが84%、男性は特定のパートナーは49%非特定のパートナーが51%という結果が出ています。急増なぜ?梅毒“過去最多”の衝撃 感染から身を守るには – NHK クローズアップ現代 全記録
男性は、彼女以外と関係をもち性感染症にかかっているということですね。
「私彼氏しか知らないし、遊んでいないし、大丈夫」と思っている若い女性も油断できませんよ。
性病予防にコンドームを使用しましょう。
そして、疑わしい時は検査に行きましょう。
風俗と福祉の連携
私は当初、風俗は弱い女性を搾取する悪としてみていました。
しかし風俗は社会的弱者の女性のセーフティーネットになっていることも知りました。
仕事を求めている女性やその中で起こっていることを知ると、
単に風俗は悪い!と正義をふりかざし、なくそうとすることは、その世界で生きている女性を危険にさらすことだと感じました。
男性の暴行などリスクがあっても声をあげられなくなっています。なぜなら、そんな仕事をしているからでしょ?と言われてしまうから。
そこでしか生きていけない人もいます。
風俗をやめなさい!というのではなく、選択肢を提供し選んでもらう。生活を立て直す情報の提供が必要であると感じました。
そのため、作家の坂爪さんは風俗とソーシャルワーカーの連携を提言しています。かなり読み応えがあり、福祉、行政、医療関係者にぜひ読んでもらいたいと思いました。
私も考え方が変わりました。
ということで、現在は風俗のデフレが起こり、サービスとしてコンドームを使用しない性行為が行われ、梅毒が増加している!という理由が理解できました。
他の性病も増加しやすい環境にあるということですね。男性諸君、無理な行為を強要すると自分にも危険が及びます。よく考えて。
今日も読んでいただきありがとうございます。
注意:あくまでも、これは私の見解です。
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