皆さまこんにちは。今回はケアする人を支えるがテーマです。
ケアする人とは、今話題となっているヤングケアラーや同居家族、パートナー、介護、福祉職、医師、看護職などです。
その人達の心のケアはとっても重要だと考えています。
以前、助産師として働いていた病院では、夜勤が月に11〜12回。
日勤-深夜(朝8時半~18時頃まで働き、その日の深夜~次の朝まで勤務、勤務表上では日付が異なる)の勤務の時はつらすぎて、そのたびにやめたいと思っていました。
体はヘトヘトでした。
産婦さんと話しをしたくないと思った時もありました。今思うと悪いことをしたなと思います。
ケアをする人がケアをしたくないと思うのは、少し病んでいますよね。
辛いのはみんな一緒、みんなが頑張っているから休みたいと言えない、頑張り続けた結果、体を壊したり、自殺をしたり。アメリカではコロナの最前線で頑張っていた医師や看護師の自殺が増えました。
そんなことを避けなくてはいけません。
取り戻せないくらい疲弊しないように、ケアする人の心のケアは重要だと感じています。
支援者のストレスやトラウマのケア
災害や事故の支援者のストレスは、二次的外傷性ストレスといわれます。
そのストレスを抱えやすい職業は、災害時や事故で被害者を支援する消防隊員や警察官、自衛隊、医師、看護師、カウンセラー、教師、公務員などです。
東日本大震災の支援者や報道関係者の心的外傷後ストレス障害(PTSD)リスク調査では、看護職員のリスク率は34~38%で一番高い結果が出ていました。次に高いのが被災地内の報道関係者の22.4%でした。
ストレス反応には、1.身体症状、2.心的外傷後ストレス障害(PTSD)があります。
1.身体症状:睡眠障害(入眠困難など)、消化器系の障害(嘔吐、下痢、便秘、胃痛など)、高血圧、筋肉痛など
2.心的外傷後ストレス障害(PTSD):感情が麻痺する乖離症状、外傷的な出来事が再び起きているように感じる再体験症状、刺激を避けようとする回避症状、怒りや不安が生じやすくなる覚醒症状
覚醒症状の一つに「休めなくなる」が現れることも多いです。これはストレス反応ですが見落とされがちです。
これから派生する症状として、バーンアウト、反応性うつ、アルコール依存があります。
文献:松井豊, 支援者のストレスやトラウマとそのケア,こころの科学,222,3,19-25.
使命感で動いてはダメ!セルフケアについて
1.意識して休む
私だけ休むわけにはいかないと、使命感だけで動き続けると”休めない”心理状態になります。短くても少し休むことが必要です。
2.リラクゼーション
ヨガや瞑想、呼吸法、入浴など。ゆっくりと呼吸をしリラックスする時間をとると良いでしょう。
3.無理に忘れようとしない
忘れよう考えないようにしようとすると、余計に思い出し考えてしまいます。「絶対ゾウのことを考えないでください」言われると、ゾウのことを思いだしてしまいます。忘れたいようなできごとを無理に忘れなくてもいいと許可をだしましょう。
4.ルールを緩める
人から助けを求められたら最善をつくさなくてはいけない、人に頼られる強い自分でいないといけない、笑顔でいないといけないなどのルールを課していると、苦しくなります。自分のルールを緩めることが必要です。
5.泣く笑う
感情を表出することは、気が張っている時には特に重要です。泣ける映画を見て涙を流す、泣くことは恥ずかしいことではありません。また、漫才を見て大笑いするのも良いのではないでしょうか。大人になると感情を抑えがちですが、喜怒哀楽の感情を出すことは大切なことです。
6.仲間と会話をする
同僚や上司と何気ない会話や現場であったことなどの会話がストレスケアに役に立ちます。自分の気持ちを話せるとすっきりします。少しづつ吐き出すことができるといいですね。
組織のケア
十分な休暇を与える、専門的な教育を行う、多様な仕事に従事させる、スーパービジョンをうけることが挙げられています。
支援をする人が心身ともに疲弊しないように、私にもできることを実践したいと考えています。
母子をケアをする方に読んでほしい三冊。
武井麻子「思いやる心は傷つきやすい」
村上靖彦編「すき間の子ども、すき間の支援」
横山恵子/影山雅子編「精神障がいのある親に育てられた子どもの語り」
それではまたね。
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