「緊急ではないが重要なこと」──いま、企業が“健康支援”に目を向けるべき理由

「緊急ではないが重要なこと」。
この言葉ほど、健康支援の本質を表しているものはないと私は思っています。
私たちは日々、業務やトラブルなど“緊急性のあること”に追われがちです。でも、今すぐ問題になっていないだけで、本当はもっと大切なことがあります。その一つが、従業員の健康管理です。
健康は「成果」が見えにくい
企業にとって、健康管理は“コスト”と見られがちです。健康支援を導入してすぐに売上が上がるわけではない、成果が見えづらいから、後回しにされやすい現実があります。
でも、健康を後回しにしたとき、見えない損失が積み重なっています:
- メンタル不調による休職
- 慢性的な体調不良によるパフォーマンス低下
- 女性社員の更年期離職
- 健康診断の未受診や放置
健康支援は、経営支援です
「健康は自己責任」とされがちですが、企業が環境を整えることで、従業員の生産性・定着率・満足度は大きく変わります。
たとえば、保健師が企業に入ることで、こんな変化が起きます:
- ストレスチェックの活用とメンタルフォロー
- 健康診断のアフターフォロー
- 女性特有の健康課題(PMS、更年期、不妊治療など)への対応
- 小さな不調への気づきと声かけ
- 離職リスクの早期発見
これらは一見、「売上に直結しない」ように思えるかもしれません。ですが、実は企業の持続的な成長を支える“土台”なのです。
予防の価値を、もっと見える形に
火事を消す人はヒーローとして称えられます。でも、火事を未然に防いだ人には、なかなか気づかれません。
保健師の仕事は、まさに「火事を起こさない仕組み」をつくること。“何も起きない”状態を守るプロフェッショナルです。
だからこそ、私は声を大にして伝えたい。予防には、見えない価値があると。
おわりに
緊急ではないけれど、未来を大きく変える──それが健康支援です。
企業にとっての健康投資は、「今すぐ効果が出る施策」ではなく、「将来を守る戦略」だと私は信じています。
一緒に、“見えない価値”を見える形にし、働く人と企業の未来を支えていきませんか?
大友光恵|大友ヘルスラボ
保健師・看護学博士/女性と企業の健康支援パートナー